アトレティコ・マドリーは、ディエゴ・パブロ・シメオネ監督の就任以来、過去10年間で飛躍的な成長を遂げました。スポーツ面での成功に加え、クラブ内部の経営面でも改革が進み、現在のような姿へと変貌を遂げました。ヨーロッパでも有数の近代的なスタジアムを持ち、近年はチャンピオンズリーグ常連クラブとなり、また「シウダー・デル・デポルテ(スポーツシティ)」といった独自のプロジェクトも展開しています。
こうしたスポーツ面での成果は、オスカル・マヨのような有能な経営陣の加入によっても支えられています。先日、この幹部の手腕が非常に評価されており、サウジアラビアの強豪クラブ、アル・ナスルから新CEO候補として注目されていることをお伝えしました。
しかし、『ムンド・デポルティーボ』紙がアトレティコ関係者から得た情報によりますと、マヨはそのような打診に対して一切の検討の余地すら見せず、現在進行中のロヒブランコのプロジェクトに対して強い忠誠心を示したとのことです。
実際、しばらく前にアル・ナスルの使者が現・アトレティコ・マドリーの「収益および事業部門ゼネラルディレクター」であるマヨに対し、オファーを受け取る意思があるかどうかを打診しました。
その返答は明確で断固たる「ノー」でした。マヨは現在、国際展開を含めた新たなプロジェクトの立ち上げに大きな情熱を抱いており、さらに「スポーツシティ」という巨大プロジェクトの存在もあって、他クラブへの移籍を考える余地はまったくなかったのです。
この毅然とした姿勢を受け、アル・ナスルは正式なオファーさえ出さず、代わりにすでにクラブ内にいた暫定CEOをそのまま常任として昇格させる決断をしました。
マヨはマーケティングおよびスポーツ経営の分野でキャリアを積んできた人物であり、アトレティコ加入前は、2021年からラ・リーガのCEOを務めていました。2017年にラ・リーガに入って以来、国際展開やビジネス部門などの重要分野を統括していました。
ラ・リーガ在籍中には、商業収入の飛躍的な増加に貢献し、収益を倍増させる成果を挙げました。特に、約20億ユーロを競技連盟にもたらしたCVCとの戦略的パートナーシップは、スペイン国内でもその年の最重要取引の一つとされ、ラ・リーガの評価額を250億ユーロに押し上げました。また、中国、中東・北アフリカ、アメリカといった市場でのジョイントベンチャー設立を通じて、リーグのグローバル展開にも大きく寄与しました。
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