アトレティコ・マドリーは、この夏の移籍市場で非常に活発な動きを見せています。これまでに、固定費用だけで1億5,300万ユーロ以上を費やし、6人の新戦力を獲得しています。そのため、かつてのアトレティコ所属選手に関する最近のニュースは、クラブにとって思わぬ収入になるかもしれないと期待されていました。しかし、最終的にはそうはなりませんでした。
その選手とは、ジョアン・フェリックスです。昨シーズン、彼はイングランドのチェルシーに移籍しましたが、ここ数年続く調子の悪さもあり、クラブ内で重要な役割を果たすことはできませんでした。このため、冬の移籍市場でACミランにレンタル移籍しましたが、そこでも目立った活躍はありませんでした。
その結果、チェルシーはフェリックスを構想外とし、売却を検討することになります。現在、ポルトガル代表の攻撃的ミッドフィールダーである彼は、意外な進路としてサウジアラビアのアル・ナスルへの移籍が目前に迫っています。これは、彼の古巣であるベンフィカへの復帰が実現しなかったことや、チェルシーの高額な要求、そしてクリスティアーノ・ロナウドや監督ジョルジ・ジェズスの影響によるものです。
今回の移籍は、出来高払いを含めて約5,000万ユーロでまとまると見られており、チェルシーにとっては昨年の支出の一部を回収する形となります。チェルシーはわずか1年前、アトレティコからジョアン・フェリックスを5,200万ユーロで獲得していました。
ここで重要なのは、アトレティコがフェリックスの売却に対して「将来の売却益の20%」を保持していたことです。これが多額の収入につながると見られていたのですが、実際には「売却額の20%」ではなく、「売却益の20%」だったという点に注意が必要です。つまり、チェルシーがアトレティコに支払った5,200万ユーロ以上の額で売却された場合にのみ、アトレティコはその差額に対して20%の分配を受け取れる仕組みだったのです。結果として、今回の移籍金が5,200万ユーロを下回っているため、アトレティコには1ユーロも入ってきません。
仮に「売却額の20%」であれば、アトレティコは約1,000万ユーロを手にしていた計算になります。
アトレティコ、チェルシー、バルセロナ、ミランと、数々のクラブを渡り歩いてきたジョアン・フェリックスは、アル・ナスルで再スタートを切り、2026年ワールドカップに向けた自身の地位確立を目指すことになります。
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