アトレティコ・マドリーは、来シーズンの自軍の攻撃陣の将来像をはっきりと描いています。短期的にも中期的にも、そのロードマップはすでに策定されています。特に昨夏の移籍市場で投じた資金を考えれば当然です。アトレティコはフリアン・アルバレスに7,500万ユーロ(+ボーナス1,500万ユーロ)を、さらにビジャレアルからアレクサンデル・セルロートを獲得するために固定で3,200万ユーロ+変動800万ユーロを支払いました。
「アラーニャ」も「シカリオ」も、1年目から素晴らしいシーズンを送りました。ノルウェー人は24ゴール2アシスト、アルゼンチン人はアトレティコのフランチャイズプレーヤーとして29ゴール7アシストを記録しました。
このため、アトレティコ・マドリーははっきりと理解しています。今後のスポーツプロジェクトはアルゼンチン代表のワールドカップ優勝者を中心に進めるべきだと。シメオネ監督のチームの基盤となる選手であるという認識に揺らぎはありません。外野がどれだけ騒ごうと、この点について議論の余地はないのです。
しかしクラブ内では、選手の代理人フェルナンド・イダルゴ氏が番組「Sólo para culés」で行った発言があまり快く思われていません。その発言は、アルバレスの状況に不確実性を持ち込むものでした。「今はアトレティコの日常です。どうなるかは交渉次第です。サッカーはとても変わりやすい世界です。クラブと話をし、状況を評価し、三者での交渉になるでしょう」とイダルゴ氏は語りました。
代理人の頭の中にあったのは、アルバレスの給与を引き上げ、アトレティコ最高給のヤン・オブラク(年俸総額2,000万ユーロ超)と同水準に並べたいという狙いでした。
ただしアルバレスは2030年までアトレティコとの長期契約を結んでおり、クラブ側はそれを強く拠り所にしています。加えて、選手の契約解除金は5億ユーロに設定されています。この点は約2か月前にジャーナリストのホセ・フェリックス・ディアス氏が『El Chiringuito』で報じた通りです。
ですから、たとえ周囲が色々と工作しようとしても、クラブ側にとっては交渉の余地はありません。FCバルセロナがアルバレスを狙っているのは公然の事実ですが、代理人イダルゴ氏の発言はその話題をさらに煽る形となりました。「たくさんのオファーの電話が来ました。ただアトレティコとしては来季も彼にいてほしいという立場です。彼自身、子どものころからレオ(メッシ)のキャリアを追っていたので、バルサへの思い入れがあるアルゼンチン人は多いでしょう。特に今季のバルサのプレーぶりを見ればなおさらです。バルサの何人かの選手から常に良い評価をもらっていることにも感謝しています。たとえばパウ・クバルシのように。それが彼のモチベーションを高めています」と代理人はラ・リーガ終了直後に説明していました。
交渉の余地はない
アトレティコ・マドリーとしては、まだたった1シーズンしか在籍していない段階でこのような動きが出ること自体に驚いています。巨額の資金を投じて獲得し、長期契約を結び、バルセロナのようなクラブにとっては到底支払えないような解除金を設定し、さらにチーム内でもトップクラスの年俸(ネットで700万ユーロ超)を与えた選手です。
それでも代理人は給与の大幅アップをほのめかしており(オブラク並みを想定)、選手のパフォーマンスを見ればその要求も理解できなくはありません。ただし、現時点でアトレティコ側はその考えを持っていません。クラブには他に優先すべき課題があり、それらを順次クリアしてきたからです(バリオス、コケ、グリーズマンの契約更新、バエナ、ルッジェーリ、カルドーソの獲得など)。今夏の移籍市場でもおよそ2億ユーロの新たな投資を予定しており、昨季の1億8,000万ユーロ超の支出に続く大型予算です。つまり経済的リソースは別の緊急課題に向ける必要があります。アトレティコとしては、将来的には間違いなくアルバレスの待遇改善を考えていますが、それは少なくとも今夏ではないのです。
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