ロバートソンがリバプールで過ごした8シーズンの実績は、カルロス・ブセロにとって左サイドバックを強化する選択肢として彼を評価する最大の根拠ではありますが、アストン・ヴィラの状況と、リュカ・ディニュが迎えている「第二の全盛期」が、フランス人DFをアトレティコのフットボールディレクターの候補リストに力強く押し上げる要因となっています。
実際、もしミロシュ・ケルケズがリバプールに加入すればスコットランド代表のロバートソンに退団の道が開かれると見られる一方で、ディーニュがバーミンガムを離れる“理由”は、チャンピオンズリーグ出場権を逃したという点に尽きます。
バルセロナでもプレーした経験を持つディニュは、ウナイ・エメリ監督率いるアストン・ヴィラで左サイドを完全に掌握する存在となっていますが、最終節での結果によりヴィラがヨーロッパリーグに回ることになった今、アトレティコが2026年にアメリカとカナダで開催されるワールドカップに出場する可能性が高い選手を“獲得”できるシナリオが生まれました。
実際、“ヴィランズ”での活躍によってディディエ・デシャン監督の代表招集リストに2年ぶりに名を連ねた今シーズンは、彼にとって大きな転機となっています。
直近では、ネーションズリーグの3位決定戦でドイツに勝利した試合でフランス代表の先発を務めるなど、来年のビッグトーナメント出場は、ディニュにとって短期的な最大の目標のひとつです。したがって、アトレティコが提供できるチャンピオンズリーグという舞台は、彼にとって大きな魅力であることは間違いありません(ディニュはこれまでリール、PSG、バルセロナ、ローマ、そしてヴィラでCLに出場しています)。
“手が届く”移籍金
ディニュの獲得に期待が持てるもう一つの要素は、アストン・ヴィラが欧州最高峰の大会を逃したことによって、クラブのプロジェクトを見直す必要に迫られており、収入減を補うために売却を余儀なくされている点です。
この点において、ディニュの契約は2026年に満了となる予定で(リバプールのロバートソンと同様)、モンチSDにとっては彼から移籍金を得る最後のチャンスとなる可能性があります。さらに、後継候補として起用されてきた若手イアン・マートセンが十分に期待に応える活躍を見せていることも後押しとなるでしょう。
こうした諸条件が揃っていることから、アトレティコは、31歳ながらもいまだピークを維持している(バルセロナ時代以降、着実に成長してきた)ディニュの獲得に向け、現実的な条件で合意に至る可能性があると言えます。なお、ベンフィカが交渉開始の時点で4,000万ユーロを提示してきたことによりリストから外れたアルバロ・カレーラスのように、大きな出費を必要とする選手に比べて、はるかに手が届きやすい存在でもあります。
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