ムッソ、最初で唯一の選択肢

新顔でもなく、毎週先発に名を連ねるタイプの選手でもありませんが、ムッソの獲得は、アトレティコが今夏の移籍市場でゴールキーパー補強のために掲げていた「最初で唯一の選択肢」を実現させたものです。彼は選ばれし存在であり、望まれた存在であり、確実な選択肢でした。そのため、あらゆる手段を講じて獲得が実現されたのです。結果として、ムッソは2028年までアトレティコの一員となります。

昨夏、150万ユーロのレンタル料を支払ってチームに加わって以来、アトレティコのGKコーチであり数々のサモラ賞受賞者を育てたパブロ・ベルセローネは、ついにオブラクとの競争を高められるゴールキーパーを手に入れたと実感しました。シメオネ監督も、第4節のサン・マメスでオブラクに代わってムッソが出場した試合で、その実力をすぐに認識することになります。それ以来、ムッソにはコパ・デル・レイでの出場機会も与えられました。このような経緯から、シーズンが終わる前にはムッソの残留が最優先事項となっていました。

ただし、もし出場試合数が25試合に達していれば、アトレティコはムッソを買い取るためにアタランタに700万ユーロを支払わなければならない契約でしたが、実際には9試合しか出場しなかったため、改めて交渉が必要となりました。クラブとしては再び低コストでのレンタル延長を望んでいましたが、イタリアのクラブ側もムッソがスペインで見せた好印象を把握しており、選手本人がアトレティコ残留を望んでいたにもかかわらず、簡単には応じませんでした。

買い取り移籍という解決策
他の選択肢を探ることなく、アトレティコは引き続き「オブラクの代役として最適なのはムッソである」と確信していました。選手としての資質、チーム内での役割、経験のすべてにおいて申し分ない存在だったからです。そのため、ここ数年のように「ほぼコストゼロの控えGKを探す」方針とは逆に、カルロス・ブセロSDは一つの解決策を見出しました。それは、移籍金を支払う代わりに、確実性の高いゴールキーパーを今後3シーズンにわたって確保するというものでした。これはオブラクの離脱時や休養時にも対応できる布陣です。

実際に、移籍金300万ユーロ（＋インセンティブで最大100万ユーロ）は非常に良い投資と見なされています。というのも、レンタル契約を毎年同じ条件で更新し続けるよりも、サラリーキャップへの影響が少なく済むからです。こうしてアトレティコのゴールマウスは、ムッソとオブラクという2人の守護神により2028年までしっかりと守られることになります。その年には「スーパー・ヤン」ことオブラクの契約も満了を迎える予定です。