クラブワールドカップ開幕まであと10日:5つの確信と5つの疑問

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アトレティコ・マドリーは、クラブ・ワールドカップ開幕まで10日となり、初戦ではロサンゼルスでパリ・サンジェルマンと対戦します。シーズン終盤の不調やアントワーヌ・グリーズマンの16試合連続ノーゴールといった懸念がある一方で、、アレクサンデル・セルロートの好調、そしてロドリゴ・デ・パウルのようなワールドカップ優勝経験者の存在は確信を与えています。

5つの確信

  1. フリアン・アルバレスのインパクト

    アルゼンチン代表FWフリアン・アルバレスは、今シーズンのアトレティコ・マドリーを象徴する存在であり、アメリカでの大会においてチームの野心と可能性を体現する選手です。今季54試合に出場し29ゴール7アシストを記録、直近34試合のうち31試合に先発出場しています。直近20試合では13ゴール・4アシストと、合計17得点に関与しており、期待値を12点も上回る得点数を記録しています。彼のプレーはチームにとって不可欠です。

  2. セルロートの好調

    現在、セルロートはシメオネ監督の理想の布陣で先発を務めています。グリーズマンとのポジション争いの中で、ノルウェー人FWは直近4試合で7ゴールという圧倒的な成績を挙げています。レアル・ソシエダ戦では4ゴール、ベティス戦では3ゴールを記録。今季通算24ゴールを挙げており、直近10試合のうち5試合で先発出場しています。

  3. チームの実力

    今季終盤にタイトル争いから脱落したとはいえ、アトレティコはシーズンを通してその実力と競争力を示してきました。ラ・リーガでは冬の時点で首位に立ち、バルセロナ戦(2-4)での敗北後にチャンピオンズリーグと国王杯から脱落するまでは、シーズン前半の39試合でわずか4敗、15連勝も記録しています。ただし、レアル・マドリーとのCLでの勝利(2-1)以降の15試合では6敗を喫しています。

  4. デ・パウルのリーダーシップ

    契約満了まで1年を切ったロドリゴ・デ・パウルは、今季アトレティコの中盤で欠かせない存在となっています。プレーメーカーとしての視野とパス能力に加え、こうした大舞台ではボールを持った際の責任感とリーダーシップが重要です。2022年カタールワールドカップでアルゼンチン代表として全試合に出場し世界王者となった彼への依存度は、チーム内で非常に高まっています。

  5. ヤン・オブラクのゴールマウス

    ラ・リーガで6度目の最少失点GK賞という記録を樹立したオブラクは、アトレティコの守護神としてアメリカでの大会でも重要な役割を果たします。世界トップクラスのGKである彼は、今季46試合で44失点、うち17試合でクリーンシートを達成しています。

…そして5つの不安要素

  1. グリーズマンの役割

    直近7試合中5試合でベンチスタートとなっており、グリーズマンが先発か控えかは試合状況や相手、シメオネ監督の戦術次第です。絶対的な先発ではなくなりましたが、明確な控えとも言えません。大会が短期決戦であることを考慮すると、彼の起用法(先発・途中出場・控え)は大きな不確定要素です。直近16試合で無得点ですが、シーズン前半には10勝に貢献する活躍を見せ、クラブ史上最多得点(197ゴール)記録も保持しています。

  2. ワールドカップ向けの補強

    6月1日から10日までの10日間、クラブ・ワールドカップに向けた「短期移籍市場」が開かれています。アトレティコは現在の選手陣、レンタル加入中のラングレ(バルセロナ)やムッソ(アタランタ)を含めて登録済みですが、アラベスにレンタルしていたカルロス・マルティンの復帰も確定しています。さらに強化を進めており、最優先ターゲットはアレックス・。ビジャレアルとの交渉が進行中で、米国大会に間に合うかどうかは未定です。

  3. シーズン終盤の影響

    アトレティコはシーズン終盤に失速しました。チャンピオンズリーグ出場権を確保した後、残りのラ・リーガをワールドカップへの調整と位置付けたような試合運びが目立ちました。ホームではレアル・ソシエダに4-0、ベティスに4-1、ラージョに3-0と快勝しましたが、アウェーではラス・パルマスに0-1、ビトリアで0-0、オサスナに0-2と低調な試合もありました。最終節でジローナに0-4で勝利したのは例外です。今はその「緩み」を取り戻す必要があります。

  4. 守備の不安定さ

    終盤において、アトレティコの守備は大きく脆弱になりました。11月から1月にかけて15連勝を支えた守備力と攻撃力は影を潜め、チャンピオンズリーグ敗退以降の12試合で13失点、クリーンシートはわずか4試合です。

  5. ル・ノルマンか、ヒメネスか、ラングレか

    シメオネ監督の想定する基本布陣において、グリーズマンの役割以外でも特に注目されるのが守備の人選です。ロビン・ル・ノルマン、ホセ・マリア・ヒメネス、クレマン・ラングレの3人が2つのポジションを争っています。他のポジションはおおむね固まりつつあります:GKはヤン・オブラク、SBはマルコス・ジョレンテとハビ・ガラン、中盤はロドリゴ・デ・パウルとパブロ・バリオス、ウィングはジュリアーノ・シメオネ、そして前線にはフリアン・アルバレスとセルロート。中盤のもう1枠はコナー・ギャラガー、・レスレクシオン、サムエウ・リーノの誰になるかが争点です。

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