アフリカの国・ルワンダ政府の機関であるルワンダ開発庁(RDB)とアトレティコ・マドリーは、2028年6月までのスポンサー契約を締結したと、同庁が今週水曜日に発表しました。これは、隣国であるコンゴ民主共和国(RDC)から、ルワンダが東部コンゴ紛争に関与しているとして、この種のスポンサー契約に対して批判が寄せられている中での締結となります。
RDBの発表によりますと、この契約には、ルワンダ政府の公式観光ブランドである「Visit Rwanda」が、今季残りのラ・リーガの試合および来年6月にアメリカで開催されるクラブ・ワールドカップにおいて、アトレティコ・マドリー男子トップチームのトレーニングウェアおよびウォームアップウェアの前面に掲載されることが含まれています。
来シーズンからは、女子トップチームのトレーニングおよびウォームアップウェア、さらに男女両チームの公式ユニフォームの背面にも「Visit Rwanda」のロゴが掲出される予定です。
また、「Visit Rwanda」は、リヤド・エア・メトロポリターノ・スタジアム内をはじめ、アトレティコ・マドリーのグローバルなデジタルプラットフォーム、そしてファン向けの国際ロイヤルティプログラムにおいても、広く可視化されることになります。
RDBは声明の中で、「この協力関係は、アーセナル、パリ・サンジェルマン、バイエルン・ミュンヘンといった欧州トップクラブとの既存の提携に加えて、ルワンダが欧州サッカー界でプレゼンスを高めていることをさらに強固にするものです。今回がスペイン・ラ・リーガとの初の提携になります」と強調しています。
さらに、このパートナーシップにより、ルワンダの若手選手やコーチが、アトレティコによるトップレベルのトレーニングや知識にアクセスする機会を得ることも明らかにされました。
RDBのジャン=ギー・アフリカ最高責任者は、「アトレティコ・マドリーとのこの歴史的な提携は、投資・観光・スポーツ開発におけるルワンダの国際的ハブとしての戦略的な位置づけを反映しています」と述べました。
一方、アトレティコ・マドリーの収益およびオペレーション部門のディレクターであるオスカル・マヨは、「この提携は、当クラブの国際展開における重要なパートナーとして『Visit Rwanda』が果たす大きな役割を示しています。世界規模で信頼のおけるパートナーを常に探しており、『Visit Rwanda』はまさにその好例です。ルワンダは継続的に成長を遂げている国であり、この提携により双方にとって多くの恩恵があると確信しています」と語りました。
なお、ルワンダ政府は今月14日にも、フランスのクラブであるパリ・サンジェルマン(PSG)とのスポンサー契約を2028年まで延長することを発表しています。この件については、コンゴ民主共和国政府から強い批判が寄せられており、ルワンダが東部で活動する反政府武装勢力「3月23日運動(M23)」を支援していると非難されています。
今年2月には、RDCの外務大臣であるテレーズ・カイイクワンバ氏が、アーセナル、バイエルン・ミュンヘン、PSGなどのクラブに対して、Visit Rwandaおよびルワンダの航空会社「ルワンダエアー」とのパートナー契約を終了するよう求める書簡を送っています。
さらに同氏は、F1(フォーミュラ・ワン)やNBAにも、これらルワンダ関連のスポンサー契約を終了するよう訴え、「ルワンダがRDC東部の紛争激化に関与している責任がある」と強調しました。この地域では、RDC軍が国連やアメリカ、フランス、ドイツなどの報告によりルワンダの支援を受けているとされるM23と交戦しています。
しかし、先週金曜日には、アメリカの仲介によってワシントンでルワンダとRDCの両国が和平交渉開始に合意したことで、紛争解決への希望が再燃しています。
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