映画アカデミーの理事会は、2025年の同機関の金メダルを、プロデューサーおよび配給者であるエンリケ・セレソ氏に授与することを決定しました。その理由として、「多数の映画の修復と復元によってスペイン映画の向上に貢献したこと」が挙げられています。
アカデミーは声明を通じてこの受賞を発表し、同時にセレソ氏の功績として、視聴覚作品のプロデューサーの権利を管理する団体「EGEDA」の会長としての経歴や、スペイン映画の配信プラットフォーム「FlixOlé」の推進者としての役割も評価しています。
アカデミーの声明の中で、セレソ氏はこの金メダルの授与について「非常に幸せです。これは60年近くにわたる仕事への後押しになるものです」と喜びを語っています。
セレソ氏は1万1千本のフィルム作品を所有しており、アカデミーによると「個人が所有する映画コレクションとしては世界最大」とされています。中でもスペイン映画のカタログは特に豊富で、3,500本に及ぶ作品の多くが、最新のデジタル技術によって修復されています。
彼がプロデュースした代表作には『情熱の女王フアナ』(Juana la loca)、『園丁の犬』(El perro del hortelano)、『幸運の星』(La buena estrella)、『13人の赤いバラ』(Las 13 rosas)などがあり、アカデミーは「スペイン映画界において広く認知されているこの人物が、90本を超える作品を製作してきた」と評価しています。
セレソ氏本人は、「製作してきた映画の中で最も喜びをもたらしてくれたのは『幸運の星』です」と語っています。修復という重要な仕事については次のように述べています。「失われた、あるいはネガが損傷していた映画のネガを見つけ、それを修復し、初公開時と同じかそれ以上の画質・音質で見ることができるのは、大きな満足です。(中略)とても重く、ゆっくりで、厳しい作業ですが、私はこの仕事が大好きです。」
『カルメン』(Carmen)、『狩り』(La caza)、『自転車競技選手の死』(Muerte de un ciclista)、『急げ、急げ』(Deprisa, deprisa)、『密猟者たち』(Furtivos)といった作品は、彼の修復によって再び観られるようになり、カンヌ、ヴェネツィア、ベルリン、マラガといった映画祭でも上映されました。
現在、映画アカデミーの名誉理事でもあり、アトレティコ・マドリーの会長でもあるセレソ氏は、5月に金メダルを受け取る予定です。そしてこの受賞により、アドルフォ・アリスタラン、セシリア・ロス、カルメ・エリアス、アイタナ・サンチェス=ヒホン、アントン・ガルシア・アブリル、アントニオ・バンデラス、コンチャ・ベラスコ、サラ・モンティエル、カルロス・サウラといったスペイン語映画界の著名人たちと肩を並べることになります。
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