どちらにとっても満足のいく結果ではありませんでした。首位争いをするムルシアとの差を広げたくないアンテケラにとっても、追加時間に勝利を目前にしながら土壇場で追いつかれたアトレティBにとっても。同点ゴールを決められたものの、地元チームは試合の主導権を握っており、試合がもう少し長ければ逆転勝利していたかもしれません。何度もクロスを放り込み、アトレティの守備の隙を突いて、二列目から飛び出したポル・ロイジェの得点を導きました。
厳しい状況の中、トーレス監督率いるアトレティBは、ここ3試合連続でアウェイ敗戦しており、今回こそは改善が求められていました。しかし、試合開始早々、自ら苦境に立たされることに。マルティン・パスクアルが犯したPKの判定を受け、かつてエスパニョール、ジローナ、ラージョ、インテルなどでプレーしたサムエレ・ロンゴにゴールを決められます。中央に蹴られたシュートは、イトゥルベが足で弾こうとしましたが、防ぐことはできませんでした。
アンテケラはリーグ首位を目指してさらに攻勢を強め、アトレティBは立ち直ることができませんでした。コスティスがボールを失い、エレハルデがマルティンをかわしてシュートを狙いましたが、惜しくも枠を外れました。右サイドからの攻撃がアトレティの守備陣を次々と脅かし、エレハルデがビアビアニーの見事なクロスに合わせようとするも、マルティンが間一髪でブロック。フリオ・ディアスもまた、エレハルデの決定的なシュートをゴールライン上でクリアしました。
アトレティBはギリギリの状況で耐え続けましたが、イトゥルベがビアビアニーの強烈なシュートを片手で防ぐなど、辛うじて持ちこたえました。そして、前半終了間際に試合の流れが一変します。試合のリズムを取り戻し、セル・ディアロやディエゴ・ブリを活用しながら攻撃を展開。そして、前半終了直前に得たコーナーキックが同点弾につながります。ディアロの蹴ったボールが再び彼の元へ戻り、そこからゴール前にクロスを供給。ボニャールがまるでストライカーのように右足でコントロールし、左足で冷静に決めて見事に同点に持ち込みました。心理的に大きな意味を持つ一撃でした。
試合の流れはトーレス監督の思惑通りに進み、地元チームは焦りを見せ始めます。そして、アトレティBは追加点のチャンスを迎えます。ニーニョがフォメイエムの不用意な足の出し方を誘い、PKを獲得。これを落ち着いて決め、1-2と逆転に成功します。後半開始直後で、まさにプレーオフ圏内浮上とアウェイの呪縛からの解放が見えてきたかのようでした。
しかし、試合はそう簡単には終わりませんでした。アンテケラは猛攻を仕掛け、ギジェム・ハイメがボールをキープし、ビアビアニーは右サイドで暴れ続けました。トーレス監督は守備を固めるためにダニ・マルティネスとパブロ・ペレスを投入し、フリオのサポートを強化しましたが、耐えきることはできませんでした。
ルビオ、クラビホ、クロス、さらにクロス、シュートの雨嵐… アトレティBは必死に守り続けましたが、最後の最後で決壊します。ビアビアニーのクロスから、マークを外していたポル・ロイジェがゴール前に飛び込み、イトゥルベを破りました。94分、試合終了まであとわずかというところでの同点劇。試合はまだ2分残っており、アトレティBもカウンターのチャンスを得ましたが、アレ・ガルシアが活かしきれず。
最後は、アンテケラが猛攻を仕掛ける形で試合が終わりました。結局、両チームとも勝ち点1を得るにとどまり、どちらにとっても納得のいかない結果となりました。
コメント