試合96分。バルサは試合内容やチャンスから勝利に値するプレーを見せましたが、絶好調のアトレティコが試合を制しました。ナウエル・モリーナの素晴らしいパスを受けたセルロートが1-2のゴールを決めたのです。シメオネ率いるアトレティコは、サン・マメスやバライードスでアディショナルタイムに勝利しており、モンジュイックでも“ハットトリック”を達成しました。このチームは最後の最後で得点を決める力を持ち、決してあきらめることがありません。一方でバルサは、最近の試合に比べパフォーマンスは改善しましたが、ホームで3連敗を喫し、直近21試合でわずか5ポイントしか獲得できていません。
アトレティコは、久しぶりに最高のクリスマスを迎えることになりそうです。2024年を締めくくるのは通常の「12粒のぶどう」ではなく、12勝と首位という“早めのレイエスの贈り物”となります。また、シメオネ監督はついにバルサにアウェイで勝利することに成功しました。これまで何度も苦戦してきた試合を制し、“一試合ごとに戦う”という哲学に新たな歴史を刻みました。この勝利が伝えるロヒブランコのメッセージは明白です:今季のアトレティコは全てを狙いに行くつもりだということ。夏の投資が実を結び、この戦力で未来に自信を持って進むべきです。一方、アスールグラナ側からのメッセージは対照的です:船が沈む前に軌道修正が必要だということです。ラミネ・ヤマルの欠場が大きな要因であることは間違いありませんが、それだけでは説明できない落ち込みが見られます。モンジュイックで3連敗を喫したことからもそれは明らかです。
2024年をラ・リーガの首位で終えるための直接対決は期待を裏切りませんでした。バルセロナとアトレティコは試合開始から全力を尽くしました。引き分けがレアル・マドリーに有利になるというシナリオは最初から存在せず、両チームは速攻で相手の隙を突こうと攻め合いました。試合序盤はフリック監督率いるバルサが優勢で、ラフィーニャが立て続けにゴールに迫るシーンがありましたが、1つは小エリアでギャラガーによって阻まれました。フリック監督はラフィーニャを負傷したラミネ・ヤマルの代役として起用し、フェルミンとガビを中盤に配置しました。地元チームの強いプレスによりアトレティコは押し込まれ、ボールを保持する時間もわずかでした。
試合開始から15分間、シメオネ監督のチームは必死に耐えました。試合前の予想とは逆に、勢いのあるチームはアスールグラナに見えました。マドリード勢がイニャキ・ペーニャのゴール前に迫るのに18分を要しました。20分、最初の議論を呼ぶ場面が訪れます。デ・ブルゴス・ベンゴエチェア主審は、ジュリアーノの明らかなハンドをペナルティとしない判断を下しました。直後にフェルミンがオブラクに挑みますが、ロヒブランコのゴールを揺るがすことはできません。ガビのヘディングシュートも決まりませんでした。アトレティコがモンジュイックで勝ち点を持ち帰るには、戦略を変える必要があるように見えました。
“水差しを泉に運び続ければいつか割れる”という諺の通り、30分にペドリが1-0となるゴールを決めました。ガビのミスからボールを奪い、オブラクとの1対1を制したのです。これでリーグ戦18試合連続でシメオネ監督がバルサのアウェイ戦で勝てない記録が続くかに思われました。ゴール後、地元チームはややペースを落とし、アトレティコがボールを持つ時間が増えましたが、追加タイムにイニゴ・マルティネスがフリアン・アルバレスへのパスをクリアした場面を除き、危険なシーンはありませんでした。
後半に入って試合をひっくり返すには、状況を大きく変える必要がありました。アトレティコは前半よりも良いスタートを切りましたが、それは一時的なものでした。2分、フェルミンが2-0とするチャンスでオブラクと対峙しましたが、スロバキア人守護神に阻まれます。さらに、ヒメネスが負傷してヴィツェルとの交代を余儀なくされ、アトレティコは更なる問題を抱えることになりました。交代直後、ヴィツェルはレヴァンドフスキに対する明白なファウルで警告を受けました。ペドリは全盛期を彷彿とさせるプレーで、ラフィーニャに2-0のチャンスを提供しましたが、ブラジル人のループシュートはクロスバーに直撃しました。
すべてがアトレティコにとって不利に見えましたが、今季のこのチームは別格で、意外な瞬間に現れます。
左サイドからフリアン・アルバレスが展開したカウンター攻撃は、カサドのクリアミスを誘発しました。それをデ・パウルが拾い、ペーニャを相手にゴールポスト際への精密なシュートを放ち、試合を1-1の同点に戻しました。バルサのパフォーマンスが上回っていた中で、この同点は理不尽にも見えましたが、オープンな試合ではこうした流れの変化が突然訪れます。直後、フリック監督はフェルミンとガビを下げ、代わりにダニ・オルモとフェラン・トーレスを投入しました。
シメオネ監督もベンチを動かし、全ラインを新鮮な選手に入れ替えました。まずコケを投入して中盤を強化し、続いてル・ノルマンを加えて守備を補強、さらに攻撃陣にはセルロートを投入しました。夏の補強により、シメオネ監督にはこうした質の高い交代策が可能となりました。残り15分で、引き分けはどちらのチームにも満足のいく結果ではなく、唯一レアル・マドリーだけが恩恵を受ける状況でした。彼らはセビージャ戦で勝利すれば年内の首位を手にする可能性があったのです。
試合終盤、両チームがゴールを決めるチャンスを迎えました。同じ1分の間にまずレヴァンドフスキが絶好の位置でシュートを外し(オフサイドの可能性もありましたが、プレーは止められませんでした)、次いでアトレティコのバリオスが1-2の場面を迎えましたが、ペーニャの見事なセーブに阻まれました。
サルバドール・オブラク
試合終盤、観客席がこれまで以上に試合に熱中する中、バルセロナは残されたわずかな力を振り絞り、5バックで守るアトレティコに対して攻勢を強めました。地元チームの攻撃を指揮したのはダニ・オルモでした。テラッサ出身の彼は、クロスシュートを放ちましたが、わずかに枠を外れました。しかし、バルセロナにとって最高のチャンスは90分近くに訪れました。このとき、オブラクがラフィーニャとペドリとの1対1の場面を立て続けに阻止し、自身のチームを救う“守護神”となったのです。
残り1分、攻め込んでいたバルセロナに対し、アトレティコはカウンターを仕掛けました。ナウエル・モリーナのクロスをセルロートが活かし、1-2とするゴールを決めました。アトレティコは、アディショナルタイムに決勝ゴールを決めるおなじみのパターンを再び見せました。これまでアスレティック、レアル・マドリー、セルタ、アラベス、レガネス、セビージャ、ライプツィヒ、PSG、カセレーニョ、そして今回のバルセロナでも同様の劇的勝利を収めています。このアトレティコには要注意です。
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