レバンテ対サラゴサの八百長疑惑、ガビの証言に矛盾か

この記事は約3分で読めます。

2010ー11シーズンのリーガエスパニョーラ最終節のレバンテ対サラゴサにおける八百長疑惑に関する調査で、当時のサラゴサ会長アガピト・イグレシアス氏の証言を裏付ける証拠が出てきたようだ。スペイン『マルカ』が報じている。

サラゴサは降格圏に位置する状況で臨んだ最終節、アウェーでのレバンテ戦で2-1の勝利を収めて残留を達成したが、この一戦で八百長行為を働いた疑いがもたれている。

イグレシアス氏はレバンテ戦前に、自チームの監督であった現日本代表指揮官ハビエル・アギーレ氏と選手、合計10人の口座に総額85万ユーロを振り込み、その現金を即座に回収していたとされ、これに35万ユーロを加えた計120万ユーロをレバンテの選手に手渡した可能性がある。

検察の反汚職局の聴取で、イグレシアス氏は選手たちから試合前にボーナスを要求されたと証言したのに対し、口座に金を振り込まれたとされる選手たちはボーナスを受け取ったわけではないと主張しながら、八百長行為の認知を否定。また、9万ユーロが自身の口座に振り込まれ、それをすぐクラブに返したことを認めた現アトレティコ・マドリー主将のMFガビも、「クラブに頼まれたことをやった。クラブは倒産法を適用する前だったので、債権者集会に関係したものと思った」と、同じようにボーナスではなかったことを強調している。

しかしサラゴサ現幹部のフランシスコ・チェカ氏、サインス・デ・バランダ氏が20日に検察に提出した当時の書類の中には、ガビが主将としてサインをしたチームのボーナスの請求書が存在していた模様だ。レバンテ対サラゴサは2011年5月21日に行われたが、書類には72万7120ユーロという額が記された5月23日付のボーナスの請求書もあったという。これが事実なら、イグレシアス氏の証言の正当性が増すことになりそうだ。

チェカ氏は当時もサラゴサの幹部職に就いていたが、検察に対して1部残留によるボーナスの支払いがあったと認めながらも、選手たちへの振り込みの内容についてはイグレシアス氏だけが預かり知ることだったと証言したという。検察はまた、チェカ氏に対してサラゴサが2011年5月13日に9万5000ユーロ、20日に30万ユーロを同氏の署名によって引き出していた理由も質問したようだが、その返答はスポーツ&財政面に関するクラブの決定権が、イグレシアス氏とその右腕ハビエル・ポルケラ氏によって握られていたというものだったとされる。

なお、検察に対する証言と行動に矛盾が発生した形となるガビは、検察の調べによって、サラゴサから最初に5万ユーロ、次に4万ユーロを受け取っていたことが明らかになっている模様。この騒動の中心にいる同選手は、以前に「なんでこのようなことに首を突っ込む必要があるんだ? 当時の僕は、すでにアトレティコとの契約にサインをしていたし、その試合が最後の一戦になることを分かっていた」と発言していた。

サラゴサ現経営陣の聴取を終えた反汚職局は、これ以上誰かを呼び出すことなく、まもなく告訴に踏み切る意向。スペインの刑法ではプロスポーツの試合で不正行為を働いた者に対して、6カ月から4年間の懲役刑、また最大で548万ユーロの罰金が科される。

コメント