2024年5月25日の試合がアトレティコ・マドリーの現行のエンブレムを公式戦で使用する最後の機会となります。このエンブレムは、2017年夏に導入されて以来、サポーターの間で大きな議論と反発を呼んできました。サポーターたちは、1947年から使用されてきたエンブレムに比べ、あまりにも大幅な変更であることを理解できませんでした。それまでのエンブレムは、マイナーな修正のみが加えられていたものでした。
この試合はサンセバスティアンにあるレアル・ソシエダとの対戦となります。興味深いことに、レアル・ソシエダのホームスタジアムは、2021-22シーズンにアトレティコ・マドリーが赤いユニフォームと旧エンブレムを着用して訪れた場所です。サポーターからの強い要望に応え、クラブは過去を意識した第4ユニフォームを発売しました。しかし、残念ながら2022年1月にこのスタジアムで着用した際には、コパ・デル・レイで2-0で敗退するという苦い思い出が残っています。
2024年7月1日からは、アトレティコ・マドリーのエンブレムは2017年夏以前のデザインに戻ります。現在のエンブレムが公式戦で使用されてきた期間中、クラブは2020-21シーズンのラ・リーガ優勝という輝かしい成績を収めたものの、同時に多くの議論の的にもなりました。サポーターの大部分は、何度も反対の声を上げていました。
サポーターの強い反発を受け、クラブは状況の沈静化を図るため「ソーシャル委員会」を設立しました。その目的はクラブとサポーターとの間の溝を埋めることでした。委員会には熱烈なアトレティコ・マドリーのサポーター代表が参加し、その要求の一つがエンブレムの旧デザインへの回帰に関する投票の実施でした。この投票は2023年6月に実施されました。
そこで、クラブはまず会員を対象とした予備的なアンケートを実施しました。このアンケートでは、エンブレム復刻に関する投票の実施の是非について意見を問いました。その結果、61,021人の会員が投票の実施に賛成し、全体の44% (138,477人の会員のうち) に相当する高い支持率を示しました。
アンケートの結果を受け、クラブは数日後に拘束力のある投票を実施しました。投票結果は今回も圧倒的な支持を示し、参加者のうち 68,894 人 (参加率 88.68%、クラブ会員全体の 49.61%) が旧エンブレムの復活を支持しました。一方、現行エンブレムを支持したのは参加者のうち 8,796 人 (参加率 11.32%、クラブ会員全体の 6.33%) のみでした。この投票の結果を受け、アトレティコ・マドリーはエンブレムの旧デザインへの回帰を決定しました。
旧エンブレムへの回帰は、段階的に行われる必要がありました。そのため、現行シーズン中には移行が完了しません。クラブとしては、全カテゴリーのユニフォームやシビタス・メトロポリターノをはじめとする競技場、マハダオンダやアルカラ・デ・エナレスにある練習施設など、あらゆる場所でのエンブレム変更の準備に十分な時間が必要でした。よって、エンブレムの正式な切替は 2024年7月1日と決定されました。
現在使用されているエンブレムは、5月25日に行われる公式戦が最後となります。 次の公式戦は、2024年8月16日週末に行われる2024-25シーズンの開幕戦ですが、アトレティコ・マドリーのサポーターにとってより馴染み深い過去のデザインのエンブレムを着用して戦うことになります。
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