FCバルセロナとクラブ・アトレティコ・マドリーのUEFAチャンピオンズリーグ準々決勝第1戦は、華麗なテクニック満載のスリリングな一戦となり、ジエゴの鮮やかなロングシュートで貴重なアウェーゴールを奪ったクラブ・アトレティコ・マドリーが、来週の第2戦に向けてわずかながら優勢に立った。ただし、71分のネイマールのゴールで追いついたFCバルセロナも希望をつないでいる。
1997年以来のベスト8となるアトレティコは、前半にエースのジエゴ・コスタをケガで欠くアクシデントに見舞われながらも、代わって入ったジエゴが56分に強烈な一撃で先制点をマーク。一方、7年連続の準決勝進出を目指すバルセロナも諦めず、残り19分にネイマールのUCL4得点目で勝負を引き分けに持ち込んだ。しかしこの試合の影のヒーローは、後半に3本のワールドクラスのセーブを披露したアトレティコの守護神ティボー・クルトワだろう。
試合は前半から激しさと創造力、そしてテクニックにあふれる戦いとなったが、両チームとも序盤に主力を失う波乱の展開に。バルサはジェラール・ピケがコスタとの接触で倒れ、続いてコスタ自身も右脚のハムストリングを痛めて交代となった。しかしどちらも代役が見事にその穴を埋める。
バルサを苦しめたのは、古巣への帰還となったダビド・ビジャだった。ディエゴ・シメオネ監督は高い位置からプレスをかけるよう指示し、バルサのGKホセ・マヌエル・ピントにボールを配給させない。これが利いていつもよりボール支配率が低くなったバルサは、ピントの蹴ったボールがアルダ・トゥランに渡ってしまい、ピンチを迎える。しかしビジャの素早いシュートはわずかにポストの外に抜けていった。
続いてハビエル・マスチェラーノがコースを読んで見事なタックルを仕掛け、ボールはリオネル・メッシへ。これはミランダが鮮やかにブロックし、ゴール前に抜け出したアンドレス・イニエスタのシュートもディエゴ・ゴディンが防いで見せた。さらにダニエウ・アウベスのクロスに合わせたメッシがヘディングでクルトワに素早いダイビングセーブを強いたのち、反対側のゴール前では長いFKからビジャに再びチャンスが訪れたが、これはピントがゴール脇に押し出した。
アトレティコの先制ゴールは、この白熱した戦いにふさわしいものだった。ゴディンが素早くFKを蹴ったときにはそれほど危険は感じられなかったが、ジエゴが鮮烈なシュートを放ち、ゴール前25メートルの位置からカーブをかけてゴール上隅に収めた。
バルサもすぐにセルヒオ・ブスケツが強烈なボレーで反撃。これをクルトワが飛んでなんとかポストの外へと押し出すと、戦いはさらに熱を帯びていった。そしてバルセロナも見事な同点ゴールを挙げる。イニエスタが粘りに粘って絶妙なタイミングで守備陣を切り裂くスルーパスを送ると、ミランダに競り勝ったネイマールが右足でネットをとらえた。
しかし、まだドラマは終わっていなかった。クルトワが終盤、イニエスタの一撃とリオネル・メッシのFKに素晴らしいセーブを見せ、ゴールを死守。引き分けのままエスタディオ・ビセンテ・カルデロンでの第2戦に臨めることになった。
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