2016年、アトレティコ・マドリーがチャンピオンズリーグ決勝でレアル・マドリーにPK戦で敗れた後、オブラクはPK戦に弱いというレッテルを貼られていました。しかし、その年の大会では、アトレティコはPSVアイントホーフェンとの準々決勝とバイエルン・ミュンヘンとの準決勝でPK戦を制しており、オブラク自身もミュンヘンで1本のPKをセーブしていました。それでも、オブラクはPK戦に弱いというイメージが付きまとっていました。
運命のいたずらとも言えるかもしれませんが、ミランの舞台は再びオブラクの前に現れました。今回はインテルがスロベニア人をPKで試すチームとなりました。そして、そのスロベニア人のゴールキーパーは見事にPK戦を制し、自身のイメージを払拭しました。
チャルハノールのペナルティキックは止めることができませんでしたが、続くサンチェスのシュートを足で弾き出し、さらにクラースの左隅を狙ったシュートもセーブしました。アチェルビのキックは止めることができず、最後にラウタロ・マルティネスのシュートは枠を外れました。このセーブにより、メトロポリターノ・スタジアムは歓喜の渦に包まれました。
2本のPKストップを披露したオブラクは、この試合のヒーローとなりました。チームがチャンピオンズリーグ準々決勝進出を決めた後、選手全員が駆け寄って彼を抱きしめました。そしてUEFAはオブラクをマン・オブ・ザ・マッチに選出しました。
通常、試合結果が芳しくない場合、キャプテンの一人としてヤン・オブラクがピッチインタビューに応えるのですが、今回は状況が違いました。「間違いなく素晴らしい試合をしました。チームとして非常に良いパフォーマンスでした。いつも素晴らしい試合、見事な試合をしていますが、たまにはこのような苦しい試合もあります。怒っているファン、落胆しているファンの気持ちは理解できます。このような日がなければ、このような夜も味わえないのです。これからも多くの喜びを皆さんに届けられるように頑張ります」とオブラクはモビスターのインタビューで語りました。
「いつもどおりホームでの素晴らしいサポーターの応援がなければ、この勝利はなかったでしょう。サポーターとスタジアムは決して裏切らない。僕たちはミスをすることもあるかもしれませんが、サポーターは決してそうではありません。今回も決定的な役割を果たしてくれました。大いに助けられました。そして何より、皆さん全員が満足して家に帰れることを嬉しく思います」とオブラクは試合後のインタビューで語り、ファンの声援に感謝の意を表すと同時に、カディス戦での敗戦を詫びました。
オブラクは、PK戦での自身の活躍を謙遜し、「PK戦は運が左右する部分もあります。正しい方向に飛び、ボールを止めなければいけない。選手が完璧に蹴れば、止めるのは不可能です。でも今日は2本止めることができました。しかし、重要なのは勝利と準々決勝進出です。ここで満足せず、さらに上を目指していきたいです。」と語りました。
また、対戦相手であるインテルについても称賛の言葉を述べました。「彼らは素晴らしい試合をしました。昨年は決勝に進出し、もっと良い結果を得られた可能性もあったと思います。今年は非常に好調で、素晴らしいパフォーマンスを見せています。それがサッカーです。彼らは絶好調ですが、私たちも今シーズンはベストではなかったものの、最後まで戦い抜き、勝利することができました。全力を尽くし、魂を込めて戦いました。準々決勝進出を果たせて非常に嬉しいです。」
最後に、オブラクは準々決勝進出に貢献した全ての人へ感謝の意を表しました。「まずチームメイト、そしてスタッフ、毎日一緒に働いてくれている全ての人たちに感謝したいと思います。彼らのためにとても嬉しく思います。そしてもちろん、いつもどんな時でも私たちを支えてくれるサポーターの皆さんにも感謝します。これからも変わらず応援してください。私たちも皆さんに喜びを与えられるよう、何かタイトルを獲れるように頑張ります。」と締めくくりました。
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