アスレティック・クラブとクラブ・アトレティコ・マドリーが対決するUEFAヨーロッパリーグの結果がどうなるにせよ、一つだけ確かなことがある。欧州カップ戦で、またしてもアルゼンチン人の優勝監督が誕生するということだ。
UEFA主催クラブ大会で優勝チームを率いた欧州以外の地域の出身者は、これまでに3人しかいないが、そのすべてがアルゼンチン人だ。そして、9日にブカレストで開催されるUEFAヨーロッパリーグ決勝でも、この記録が続くことになる。ブカレスト国立競技場で両ベンチに座るのは、元アルゼンチン代表MFのディエゴ・シメオネ監督と、そのシメオネ監督を現役時代に代表監督として指導したこともあるマルセロ・ビエルサ監督だ。
欧州カップ戦を制覇した3人のアルゼンチン人監督のうち、2人はスペイン勢を率いての栄冠だった。1958年と1959年にレアル・マドリーCFを欧州チャンピオンズカップ優勝に導いたルイス・カルニグリア、1980年にバレンシアCFを率いてUEFAカップウィナーズカップを制覇したアルフレド・ディ・ステファノ(代表ではアルゼンチンだけでなくスペインでもプレー)の2氏だ。
両氏の優勝の間には、エレニオ・エレーラ氏がFCインテル・ミラノを率いて1964年と1965年に欧州チャンピオンズカップを制している。一方、アスレティックのビエルサ、アトレティコのシメオネ両監督は旧知の仲だが、シメオネ監督は同胞のビエルサ監督の指導を受けた経験が、2010年から2年ぶりとなるUEL優勝杯獲得に向け、ロヒブランコス(アトレティコの愛称)に有利に働くのではないか、との見方には懐疑的だ。
昨年12月からアトレティコを率いるシメオネ監督は、UEFA.comにこう語った。「決勝に向けた準備を重ね、最高の計画を立てたとしても、本番ではそんなものは脇に置かれてしまうことが多い。このような決勝では、多くの部分がプレーする選手にかかっている。試合をするのはあくまで選手たちだ。そして我々(指導者)はピッチの外で見守るしかない」
選手時代の1998年にインテルでUEFAカップを獲得したこともあるシメオネ監督は、今季のUELで優勝すれば、選手と監督の両方でUEFAカップ/UELを制覇した3人目の人物となる。
これまでにも、ディノ・ゾフ氏が1976-77シーズンにユベントスのGKとして決勝でアスレティック(今回以前の唯一の決勝進出)を破って優勝し、1989-90シーズンには監督として同じくユベントスをUEFAカップ制覇へと導いた。また、フーブ・ステフェンス氏は1978年にPSVアイントホーフェンのDFとして、1997年にFCシャルケ04の監督として同大会を制している。
コメント