FIFAワールドカップ・カタール大会ではベスト8で姿を消すことになったポルトガル代表。決勝トーナメント1回戦ではスイス相手に6ゴールと大量得点を記録したが、続くモロッコ戦ではノーゴールに終わった。
残念な結果になってしまったが、新世代が台頭したことを考えれば悪くないか。ゴンサロ・ラモスはクリスティアーノ・ロナウドに代わってスイス戦に先発し、ハットトリックを記録した。
同じくスイス戦ではジョアン・フェリックスの活躍が目立った。ポルトガルの名門ベンフィカの出身で、アトレティコ・マドリード加入時の移籍金は1億2600万ユーロとされている。
しかしアトレティコでのフェリックスの活躍は1億ユーロを超える移籍金に見合ったものではない。移籍後、未だリーグ戦での得点数は二桁に乗せることができておらず、今季は512分しかプレイできていない。
英『Daily Mail』によると、フェリックスはこの冬の移籍市場でアトレティコを離れる可能性が高いようだ。
同メディアが主張するフェリックスの移籍理由は指揮官であるディエゴ・シメオネとの関係性にあるという。
シメオネのスタイルは守備的で、昨季はCLでマンチェスター・シティ相手に[5-5-0]のシステムを採用し話題となった。この形ではフェリックスに居場所はない。最前線に配置される選手はフェリックスのようなタイプではなく、より守備で走ってボールを収められる選手が重宝される。
またシメオネとの相性の悪さはその起用法にある。シメオネは試合の中で多くの選手にポジションのローテーションを求める。しかしフェリックスは過去にその指示に背いたことがある。監督の言うことを聞けない兵士をシメオネはよく思わないだろう。
アトレティコで評価を下げるフェリックスだが、W杯での活躍は抜群だった。分かりやすいのが、6得点快勝のスイス戦で、スイスはポルトガルのビルドアップに対しハイプレスを仕掛けて組み立てに制限をかけてきた。ポルトガルは苦戦したが、結果は6ゴールの大勝だ。そのキーマンは前線のラモスと、後方から前線までボールを運んだフェリックスといえる。
スイス戦でフェリックスは左ウイングで先発となったが、試合の中でポジションを変えビルドアップ時は左サイドバックのような位置にいた。そこからドリブルやパスでスイスのハイプレスを単独で攻略し、勝利に貢献したのだ。
この強みを生かせるチームは堅守速攻のアトレティコではない。ジョゼップ・グアルディオラがチームを指揮するシティは理想的な移籍先となるだろう。今回の移籍候補にシティの名前はないが、加わることになれば成功する可能性は高い。
移籍先の候補はマンチェスター・ユナイテッドやアーセナル、アストン・ヴィラと資金力に余裕があるプレミアリーグのチームが並ぶ。ストライカーがチームから離れたユナイテッド行きは面白そうだが、ポルトガルの新星はどこを新天地とするのだろうか。
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