アトレティコ・マドリーが、先のレアル・マドリーとのダービーでFWヴィニシウス・ジュニオールに対する人種差別的、侮辱的チャントが歌われたことについて、クラブとしての対応を伝えている。
18日のラ・リーガ第6節、シビタス・メトロポリターノでのアトレティコ対レアル・マドリー(1-2)では、アトレティコのサポーターと思われる人物たちがスタジアム内外で「ヴィニシウス、お前は猿」「ヴィニシウス死ね」といったチャントを歌っていた。ラ・リーガはスペイン政府の反暴力委員会に訴る方針だが、アトレティコも措置を講じるようだ。
「私たちは人種差別的性格を持ったありとあらゆる姿勢を強く非難します。それは私たちの社会の欠陥であり、悲しむべきことに昨日の試合だけに限らず、スポーツ、またはスポーツ以外範疇で起こっていることです」
「私たちは権威機関に連絡を取り、その忌むべき出来事に参加した人々の身元を明らかにするよう要請しました。該当する人々がクラブのソシオ(会員)である場合には、罰則を適用することになります」
「そうした少数の姿勢は、クラブと大多数のファンを代表するものではありません。大多数のファンは昨日も模範的な振る舞いを見せ、試合を通して私たちのチームを後押し、対戦相手に敬意を払っていました」
アトレティコはさらに、一部メディアのダービーへの焦点の当て方に疑問も呈する。そもそもヴィニシウスに関した喧騒は、同選手のダンスセレブレーションが挑発的かどうかという議論について、アトレティコ主将MFコケが見解を求められたことに端を発する。コケは『モビスタール・プルス』とのインタビューで、ヴィニシウスのダンスについて「それぞれが好きなように祝えばいい」と語り、その後メトロポリターノでヴィニウスがダンスを踊った場合について問われ「絶対イザコザになるよね。それが普通だろう」と返答していた。
メトロポリターノでは先に、ビジャレアルFWジェラール・モレノの自身の子供に対するゴールパフォーマンスをした際、観客が強烈なブーイングを浴びせたことが話題に。コケの発言はその出来事やアトレティコとレアル・マドリーのライバル関係も踏まえた上での見解だったが、一部メディアはそれをヴィニシウスへの警告や脅しと報道し、そのように捉え方をしたテレビ番組において一人のコメンテーターが、ヴィニシウスに差別と捉えかねない発言をして、そこから大きな喧騒へと発展している。
アトレティコはそうした一部メディアのダービーの報じた方、さらにはアトレティコが人種差別の発端となったような見解があったことについて、強く反対の意思を示している。
「私たちは人種差別的に性格を持った姿勢を非難しますが、それと同時に、この試合に対して大袈裟な形でフォーカスを当てようとしたことについては理解ができません。アトレティコ・デ・マドリーとはまったく関係がない、不自然なキャンペーンが行われていました」
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