18日に行われたラ・リーガ第6節、シビタス・メトロポリターノでのアトレティコ・マドリー対レアル・マドリーは2-1でレアル・マドリーの勝利に終わった。
ヴィニシウスのダンスパフォーマンスが挑発的行為かどうかの議論から人種差別問題にまで発展して、一気にヒートアップした今回のダービー。勝ち点的に言えば、アトレティコはマドリーにすでに5ポイント差をつけられており、スタートダッシュが肝心の優勝戦線に残るためにヴィニシウスにダンスを踊られるわけにはいかない状況だ。
「アトレーティ! アトレーティ! アトレティコ・デ・マドリー!」「この午後は雰囲気が満ちていく」。7万人収容のメトロポリターノで、ダービーらしい今季最高の声量でアトレティコのイムノが歌われてから試合はキックオフを迎える。
立ち上がりはバルベルデのコケに対するファウルで一気に両者がヒートアップするなどまさにバチバチの様相となり、この肉弾戦の応酬が一息つくとアトレティコがマドリー陣地で試合を進めていく。アトレティコはフィニッシュまで持ち込む場面もあったものの、マドリーの守備を崩し切ってはおらずチャンスの確度はそこまで高くない。逆に、アトレティコにある程度の自由、ジャブのような攻撃を許していたマドリーが、時折繰り出すテクニカルかつ、速く、重い一撃でスコアを動かしていった。
マドリーはまず、18分に先制点を記録。バルベルデがストライドの大きいドリブルで右サイドから中央へと一気に駆け抜け、左サイドへと展開。ペナルティーエリア手前左のロドリゴが、すぐ後方のチュアメニにボールを預けてエリア内に走り込むと、絶妙なタイミングと精度で送られてきた浮き球のリターンを右足ボレーで枠内に流し込んだ。
マドリーの先制点にメトロポリターノは一瞬だけ沈黙し、その後すぐ「アトレーティ!」と自チームの反撃を願うチャントを響かせた。だがマドリーは、その信念の強さを試すかのように36分にもう一度ゴールを決める。ヴィニシウスがモドリッチとのワン・ツーから左サイドを突破。ブラジル人FWはドリブルスピードをグングンと上げてペナルティーエリア内左に侵入し、滑り込みながらシュートを放ったものの、これはポストに直撃。そしてそのこぼれ球をバルベルデが枠内に押し込んだ。スタジアムにはマドリーの面々に対する罵声が響いている。
試合は0-2で折り返し、迎えた後半はアトレティコがボールを保持して攻め込み、マドリーが速攻で追加点を狙う展開がより鮮明に表れる。ただ、近年ポジショナルな攻撃の崩しに問題を抱え続けているアトレティコは、マドリーを相手にしてそれをまざまざと露呈。効果的に崩せないボールを持つだけのポゼッションが続くことになった。
シメオネ監督はジョアン・フェリックス、デ・ポール、カラスコ、コケ、コンドグビアをクーニャ、モラタ、アンヘル・コレア、エルモーソ、サウールに代えて打開を図る。対するアンチェロッティ監督はメンディをリュディガー、モドリッチをカマヴィンガに代えて、よりトランジションを意識した。
そして83分、次のゴールが生まれた。決めたのは、アトレティコ。右CKでクルトワがパンチングし損ねたボール、エルモーソが枠内に押し込んだ。1点差となり、メトロポリターノはキックオフ時の盛り上がりが今一度よみがえる。アンチェロッティ監督はクロース、ロドリゴをアセンシオ、セバジョスに代えて交代枠を使い切った。
終盤はアトレティコが観客の応援を受けて一方的に押し込む状況となったが、91分にセバジョスとやり合ったエルモーソが2枚目のイエローカードで退場に。数的にも優位に立ったマドリーが必死の守備で、1点リードを維持したまま試合終了のホイッスルを迎えている。マドリーはこれで今季公式戦9試合全勝。バルセロナに勝ち点2差をつけて首位でインターナショナルウィークを迎え、またアトレティコには勝ち点8差をつけることに成功した。
なおヴィニシウスは、人種差別に抗議するためにもゴールを決めて踊りを披露しようと気合が入っていた様子だったが、その分で空回っているような印象も。軽い接触で大袈裟に倒れたり不必要に思えるところでヒールリフトを狙ったりと、悪い意味で目立つ場面もあった。ラ・リーガの連続得点記録は4でストップしている。
ATLÉTICO DE MADRID 1–2 REAL MADRID
Atlético de Madrid: Oblak, Felipe, Witsel, Reinildo, Llorente, Carrasco (Hermoso 72’), Koke (Correa 72’), De Paul (Morata 62’), Kondogbia (Saúl 81’), João Félix (Cunha 62’) y Griezmann.
Real Madrid; Courtois, Carvajal, Militão, Alaba, Mendy (Rüdiger 75’), Modric (Camavinga 82’), Tchouméni, Kroos (Asensio 85’), Valverde, Vinícius y Rodrygo (Ceballos 85’)
Arbitro:
Munuera Montero, quien amonestó a los locales Reinildo (28’) y Koke (63’) y a los visitantes Mendy (33’) y Carvajal (88’). Expulsó al rojiblanco Hermoso por doble amarilla (89’ y 91’)
GOLES:
0-1, min. 18, Rodrygo
0-2, min. 36, Valverde
1-2, min. 83, Hermoso
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