アトレティコ・マドリーは、9月7日に行われたUEFAチャンピオンズリーグ(CL)グループBの第1節でポルトガル1部FCポルトと対戦し、2-1で勝利した。後半アディショナルタイムに3点が入った一戦で、決勝ゴールを決めたフランス代表FWアントワーヌ・グリーズマンが後半途中からの出場が続く現状に口を開いた。スペインメディア「フットボール・エスパーニャ」が報じている。
ポルトとのホームゲームで後半アディショナルタイム1分に先制したアトレティコだったが、同アディショナルタイム5分に与えたPKを決められ振り出しに戻されてしまう。それでも同11分、CKからのクロスをベルギー代表MFアクセル・ヴィツェルが頭で流したボールを、グリーズマンがヘッドでゴールに押し込み、アトレティコは勝ち点3を獲得した。
今シーズン、グリーズマンは公式戦5試合に出場して3得点を挙げているが、いずれの試合も出場したのは後半残り時間が30分を切ってから。それでも、高い決定力を見せており、ポルト戦を含め、直近の3試合で2度の決勝ゴールを短い出場時間のなかで決めている。
ディエゴ・シメオネ監督が、後半15分過ぎにグリーズマンをピッチに送り出すには、理由がある。2021-22シーズンにアトレティコは、バルセロナからグリーズマンをレンタル移籍で獲得したが、2シーズンに渡って45分以上出場した試合が50%以上になった場合、4000万ユーロ(約57億円)でストライカーを買い取る義務が生じる。
スペイン紙「マルカ」によると、グリーズマンは昨シーズンの81%の試合で45分以上をプレーしているという。このため、グリーズマンの移籍金を支払いたくないクラブは、出場時間を制限することで、買い取り条項の発動を見送ろうと画策しているのだ。
この出場時間について、グリーズマンは「自分の手を離れたところにあって、なるようにしかならない。ここにいられることを、神に感謝している。僕の家族も幸せだ。もちろん、もっと出場したいが、自分に与えられた出場時間で、全力を尽くすよ。僕はこのクラブの人間であり、ここにいることができて嬉しい。ここでプレーして、クラブのために、チョロ(シメオネ監督)、ファンのために、すべてを捧げたい」と、コメントしている。
また、シメオネ監督も、「私たちが見ることができるのは、現実に起きたことだけであり、30分で彼はとてもよくやっている。60分出たらどうなるかはわからない。私たちは現実しか見られないからね」と、どれだけ好調でゴールを量産しても、これ以上の出場時間を与えることが難しいことを認めている。
バルセロナからアトレティコへ復帰する際には、ファンから反発も受けたグリーズマン。こうしたチームのために戦う姿勢を見せることで、再びファンの心を取り戻すことができるだろうか。
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