シメオネが自身の哲学を語る 「我々がバルセロナになることは絶対にない」

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ディエゴ・シメオネ監督がスペイン『エル・パイス』とのインタビューに応じ、自身の哲学について語っている。

2011年12月下旬に低迷していた古巣アトレティコに指揮官として復帰したシメオネ監督。それ以降5タイトルを獲得しているアルゼンチン人指揮官だが、就任当時からアトレティコがどのようなチームであるべきか、明確なビジョンを有していたという。

「4年前の12月25日に飛行機に乗ってから、常に挑戦に立ち向かってきた。アトレティコを世界最高のチームに戻すという挑戦にね。どうやって? このクラブの本質、伝統のフットボールによって、厄介なチームで在り続けることによってだ。クラブには歴史というものがあり、それを変えることはとても難しい」

「アトレティコは伝統的に堅守速攻のチーム」と語るシメオネ監督だが、プレースタイルはクラブの伝統でなければならない、という持論があるようだ。

「『バルセロナのようにプレーしたい』と口にすることはできる。だが我々はバルセロナではなく、そうなることは絶対にあり得ない。一つのプレースタイルを取り込むことを望んでも、それを長続きさせることは、とても困難だ。長続きするものはクラブの歴史、本質といった、そのクラブを偉大なものにたらしめした力でしかない」

また、アトレティコが一つの家族であるとの考えを口にしている。

「人生で最も難しいのは、新たなものを考案することや、一つのことをし続けること。一方、サッカーで最も難しいのは、自分の望む場所にいることだ。我々はここにいたいと望む多くの人間を集めている。ゴディン、フアンフランは残留を望み、ガビはいまだ前進を続け、フィリペ、オリベル、トーレスはこのクラブに復帰することを願い、グリーズマンもすでに家族の一員だ…」

「我々はチーム以上に一つの家族、本当の家族なんだよ。もちろん、内側には問題だってあり、出場機会を得られずに憤る選手たちもいる。そして私は彼らの父であり、ミゲル・アンヘル・ヒル(CEO)やエンリケ・セレソ(会長)が祖父となるのだろう」

FWジャクソン・マルティネス、FWルシアーノ・ビエット、MFヤニック・カラスコの獲得など、1億ユーロ以上の移籍金を投じた今季の陣容については、次のように語った。

「今季のチームには、もう少しスピードや激しさが必要だった。そのためにビエット、ジャクソンらに目を付け、またオリベルにはポルトでの経験からアルダ・トゥランの後を自然に継げるという期待があった。またカラスコの到着は守備から攻撃のトランジションにおいて圧倒的なスピードの選手が見られることを予感させてくれた。戦術的に修正すべき部分はあったがね」

「今季の我々はカラスコがいたために、4-3-3のシステムを多用している。彼が規律を壊すことなくスピードあるパフォーマンスを見せるアイデアを与えてくれたんだよ。ただ彼にはゴールを決めることも要求している。素晴らしいシュートと1対1の技術があるからね」

シメオネ監督はプレシーズンにMFコケをボランチ、またはアンカーで起用する考えを述べていたが、同選手はいまだサイドで使われ続けている。

「コケはまだ苦労を強いられている。そのポジションでプレーすることを望んでいるのは、第一に私なんだよ。中央の選手は偉大だ。ガビが30歳、チアゴが34歳、ピルロが35歳という年齢であること、シャビ・アロンソがいまだ最高の選手であること、ブスケッツが頭に計算機を入れていることは、決して偶然ではない。中央でプレーすることは、決して簡単じゃないんだ」

足下の技術に優れた選手に対しても懸命に走ることを強いるアトレティコのサッカーだが、シメオネ監督はそれが理にかなっているとの見解を示した。

「才能ある選手たちをチームに結び付ける最適な方法は、前線からプレッシングを仕掛けさせることにある。彼らは後方に下がることを嫌うわけだからね」

一方で、チームのエースとなったFWアントワーヌ・グリーズマン、そしてファンの絶対的アイドルFWフェルナンド・トーレスについても触れた。

「グリーズマンについて私が好んでいる部分は、努力は才能を悪くするものではなく、それを良くするものというメッセージをしっかりと解釈していることだ。問題となるタイプは、ひねくれていて、その身を隠すような選手だ。性格が悪くも高潔な人間なら、譲歩の余地はある。しかしエゴイスト、歪んだ性格ではダメだね」

「フェルナンドは仕事の選手、ハートの選手、高クラスの選手、またプレーに奥行きを与える選手だ。彼は(17試合にわたって目指し続ける)アトレティコ通算100得点目を記録し、刺さり続ける棘を抜かなければならない」

シメオネ監督は最後に、自身の性格を分析している。

「私は見え透いた人間だ。悲しむべきことに、すべてが顔に出てしまう。怒っているときも、悲しみを感じているときもね。表情に出すなと言われるが、これがまた難しいんだよ」

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