ポゼッションサッカーへの移行が取り沙汰されていたアトレティコ・マドリーだが、ディエゴ・シメオネ監督は堅守速攻こそがチームのアイデンティティーであることを説いている。スペイン『EFE通信』が伝えた。
FWジャクソン・マルティネス、FWルシアーノ・ビエット、FWフェルナンド・トーレス、FWアントワーヌ・グリーズマン、FWアンヘル・コレアの“ジャクソン5”をはじめとして、多くの攻撃的選手を抱える今季のアトレティコ。それによってポゼッション主体の攻撃的なチームに移行するとも見られていたが、シメオネ監督にそのような考えは一切ないようだ。
アルゼンチン人指揮官は8日に行われるリーガエスパニョーラ第11節、本拠地ビセンテ・カルデロンでのスポルティング・ヒホン戦を前に会見に出席。その場で、選手時代から体感するアトレティコのプレー哲学について語っている。
「アトレティコ・マドリーのことを知らない人々には、自分たちの仕事ぶり、プレッシング、カウンター、守備の強固さを見ることを勧めたい。それこそがアトレティコの歴史にほかならない。我々のスタイルを変えることを望む人間は、アトレティの歴史の流れに逆らっている」
「良いパフォーマンスというのは、様々な方法で実現できる。いくつかの人間はポゼッション率を高めることを選び、いくつかの人間はカウンターを中心に良質なプレーを披露する。歴史を、何よりもファンを混乱させないでほしい。アトレティコは努力、懸命さ、感情の伝染、カウンター、そして競争のチームだ…。それを基に成功を手にしてきたんだよ。我々がそれを変えることはない。どのようなときにも、その道を歩み続けていく」
シメオネ監督は、ボールを扱う技術に優れた選手も、堅守速攻のスタイルに適応できることを強調している。
「我々の意図は、選手の特徴をチームの歴史的なスタイルに適応させることにある。ジエゴ・リバスには素晴らしい才能があったが、このチームに馴染んだ。アルダ・トゥラン、ダビド・ビジャ、アドリアン・ロペスだってそうだ…。我々のサイドでは、いつも技術的な才能を有する選手たちがプレーしてきた。ラウール・ガルシアだけは特徴が異なっていたが、彼には帰属意識や素晴らしい努力の姿勢があった。努力、それを彩る才能、そして何よりも明確なプレーアイデアを持たなければならない」
一方、FWフェルナンド・トーレス、FWジャクソン・マルティネスが得点力不足に悩まされている状況については、このように述べた。
「おそらく、もっとサイドからボールを供給しなければならない。彼らにはゴールの近くにいてもらって、早めにクロスを上げるなどしてね。反対に相手の背後を狙うプレーでは、彼らはゴールから遠ざかることになる。その部分は、これから改善しなければいけないだろう。ただ、チームは現在もゴールを決める状況を生み出している。第一に、アトレティコは1試合に20回の決定機を迎えるようなチームではないんだ」
シメオネ監督は今季開幕前にMFコケをボランチとして起用する考えを明かしていたが、同選手は現在も左サイドを主戦場としている。
「コケがボランチでプレーすれば、チームの攻撃のスピードはさらに速くなる。現在も彼がそのポジションでプレーできると考えているよ。ただ、ガビの調子が素晴らしく、コケの居場所は左サイドに見出している」
またスポルティングについては、次のような見解を語った。
「興味深いチームだよ。彼らは中盤から前線にかけて、素晴らしいスピードでもってプレーを展開する。セットプレーの攻撃は危険であり、守備は一枚岩と称せるね。難しい一戦になるだろうが、我々が求める結果を手にできることを願うよ」
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