アトレティコ、F・トーレスの一発でビジャレアルを沈める 3位確保に向けて一歩前進

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29日に行われたリーガエスパニョーラ第34節、アトレティコ・マドリーは敵地エル・マドリガルでビジャレアルを1-0で下した。

リーガ第15節で敵地ビセンテ・カルデロンを訪れて1-0と勝利を収めたビジャレアルは、今季唯一カルデロンで白星を挙げたチームだ。しかし、その試合で決勝点を奪ったビエットやドス・サントス兄弟など主力選手の多くが現在負傷で戦列から離れており、王者を倒した経験を持ってピッチに立つのはGKアセンホ、V・ルイス、マリオ、J・コスタ、トリゲロスの5選手のみとなった。

最近の公式戦9試合で未勝利が続いているビジャレアルだが、2分に両チームを通じて最初の好機を迎える。ロングボールの対処をガメスが誤ったところをモレノが拾い、キャンベルにパスを通す。ファーストシュートは枠を捉えたものの、GKオブラクの正面を突いた。

28日に45歳のバースデーを祝い、ビジャレアル戦で就任以降公式戦200試合目を飾ったシメオネ監督率いるアトレティコは、グリーズマンとマンジュキッチを中心に相手守備陣を切り裂いていく。13分には、グリーズマンがペナルティーエリア内でヨキッチに倒される。主審のホイッスルは鳴らなかったが、あわやPKというシーンを演出する。

主審の判定に苛立ちを感じながらも攻撃に手応えを得るアトレティコ。両サイドバックのフアンフランとガメスが徐々に高い位置を取れるようになり、中央ではマンジュキッチがポストプレーで起点となる。20分にコケのアーリークロスからアルダのバックヘッドで、28分にはマンジュキッチの落としをコケが右足で叩いてゴールを襲った。

決定機を逃し続ける王者を余所に、ビジャレアルも虎視眈々と攻めの機会をうかがう。34分、左サイドのFKからトリゲロスがペナルティースポット付近にボールを入れると、マークを外したV・ルイスがヘデイングで合わせる。完全にミートしたが、オブラクが左手一本でセーブする驚異的な反応を見せ、こぼれ球を押し込もうとしたシュートも戻ったゴディンがクリアした。

アトレティコは、ボールを保持しながらも攻撃面で創造性を欠いてしまう。62分、シメオネ監督が最初の交代で2枠を使う。これまでビジャレアル相手に8得点を挙げているF・トーレスとサウールがピッチに送り込まれ、アルダとマンジュキッチがベンチに下がった。選手交代後も攻撃のスピードが上がらないアトレティコは、残り20分になったところでガビに代えてR・ガルシアを投入。それでも流れを変えることはできず、ビジャレアルが時折見せる鋭いカウンターに苦しめられた。

苦戦を強いられる中、王者を救ったのはF・トーレスの一発だった。ビジャレアルペースとなり始めていた74分、中盤からのバックパスをエリック・バイリーがコントロールミス。後逸したボールを見逃さなかったF・トーレスがそのまま拾ってドリブルで独走し、アセンホ、戻ってスライディングしたバイリーをかわして右足でシュートを沈めた。

84分には、ビジャレアル守護神アセンホがジャンプの着地時に右ヒザを負傷するアクシデントに見舞われる。これまで2度、同箇所の手術を行っているアセンホは、号泣しながらもストレッチャーに乗らず歩いてピッチを後にする気丈さを見せた。そして、交代でJ・カルロスがゴールマウスに入る。

苦しみながらも勝利したアトレティコは、4位セビージャに勝ち点6差で3位に。一方のビジャレアルは敗戦したものの、6位とヨーロッパリーグ出場圏内をキープしている。

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